2018年11月26日

女王・メアリースチュアート スコットランド女王でありフランス王妃

女王・メアリースチュアート スコットランド女王でありフランス王妃

簡単に時代背景を説明したのち、女王メアリーについて書いてみたいと思います。
理由は、私が気になる女王だからです。(笑)
メアリーは、宗教性が強く性格も天真爛漫と言いますか、楽観的で女王にしては珍しいタイプのような気がします。

16世紀にはイギリスと言う国はなく、南部にロンドンを首都とする新教(現在のプロテスタント)のイングランド、北部に旧教(カトリック)のスコットランドと言う二つの王国が宗教や領土をめぐり争っていました。

1542年12月スコットランドのロジアン地方、リンリスゴー宮殿でメアリーが生まれました。
スコットランドのジエームス5世と王妃の間に生まれたメアリースチュアートは、父の死によって生後6日にしてスコットランド女王になりました。

旧教国のフランスは、スコットランドとの同盟を固めるためにメアリー女王とフランソワ王太子の婚約を望んでいました。
メアリー女王は優しく献身的な母と別れ、彼女の遊び友達兼侍女を務める同年齢の4人のメアリー(スコットランド有数の貴族から選ばれる)とともにフランスへ旅たって行きました。
4人のメアリーの存在はメアリー女王の人生においてかけがえのない宝になりました。


16世紀なかばのフランス宮廷は数多くあるヨーロッパの宮廷の中でも最も洗練された華やかな宮廷でした。イタリヤで始まったルネサンスがフランスでも花開き、中世の騎士道精神とルネサンスの華麗な古典文化が一つになり、絢爛たる宮廷文化が咲き誇っていました。

この様な宮廷に登場したメアリーはその愛らしさ、物怖じしない朗らかさで周囲を魅了しながら未来のフランス王妃としての教育を受けて成長していきます。
フランス語、イタリヤ語、スペイン語はいうにおよばずラテン語、ギリシャ語などにも秀で、13才のときにはルーブル宮で全宮廷人の前でラテン語の演説を読み上げたと言われています。

16世紀のイングランドは、ルネッサンスの影響もあって女子教育に関しては、現代と肩を並べる水準に達していたといわれています。
教育に関してはルネッサンスの影響を受けた16世紀の宮廷で、苛酷なまでのエリート教育を進めるイングランド宮廷と、スポーツや芸術という人生の遊びの部分を重要視する風潮のフランス宮廷の違いはあっても生命力旺盛で恵まれた資質を持ったメアリーとエリザベスという二人の高貴な女性は優等生として育っていきました。

ノートルダム寺院.jpg

フランスの宮廷では、スコットランドの女王にして未来のフランス王妃であるメアリーはかけがえの無い存在として大事に育てられました。
1558年4月予定通り、パリのノートルダム寺院でメアリーと王太子フランソワの結婚式が行われましたが、メアリー15才、フランソワ14才でした。
200年ぶりの王太子の結婚式ということで絢爛豪華な式の主役は、幼児期から病弱だったフランソワではなく美しく成長したメアリーで、180cmの長身でありながら優雅な物腰と好みの白を基調とした洗練された装いに作家ブラントームは「晴れ渡った真昼の陽光の輝き」と讃えました。

メアリースチュアート 本.jpg


メアリーの特徴は、その美しさと包み込むような優しさにあったようです。
馬に乗れば男顔負けの手綱さばきを見せました。

エビソードとして、ある冬の午後、馬を走らせている時に、気の枝に引っかかって、メアリーは転倒し地面に投げ出されて気絶してしまいました。
気絶している彼女の脇すれすれを、何人もの狩仲間たちが気付かずに馬で走り過ぎていきました。馬の下敷きになる一歩手前で、誰かが気付いて大慌てで抱き起こしました。
我に返ったメアリーは少しも騒がず、乱れた髪に手をやって、にっこり微笑んでみせたといいます。

とにかくメアリーの美しさと優しさは多くの男性達を魅了していました。
姑であるカトリーヌはよく言っていたようです。
「宮廷中のものをふり向かせるには、彼女がちょっと微笑するだけで充分だ」と。

メアリースチュアートは、天才でも奇跡の人というわけではありませんが、当時、女性に必要とされていた、学問もお酒落も話術も人並み以上に身に着けていたようです。

そして、何よりも彼女を特徴づけていたのは、人に好かれる才能でした。彼女の家庭教師パロア婦人は言っています。「彼女は、彼女をみる人を喜ばしい気持ちにさせます。だから、誰もがこの人を称賛し、この人のために、神に祈るのです。」

彼女の素晴らしいところは、この時代、彼女は周囲の人々から甘やかされ、おだてあげられたことは確かなことです。
それでも決してそのことでわがままにも粗暴にもならずに、無類の人柄の良さを有していました。幸福な子供時代を過ごした人によくあるように、彼女は人間に対する深い信頼感を持っていました。
その育ちの良さからくる、無邪気な飾らない暖かさが、常に人々に快い印象を与えていたようです。

その他、メアリーの性格を表す出来事として、ダーンリ(旦那)暗殺の共犯者として、疑いをかけられた時、メアリーは毅然としてこう答えました。
「わたくしは、罪を犯してそれを隠しておくよりも、犯してもいない罪のことで責められるほうが、まだましですわ。わたくしは世の人々よりも神のほうを尊重します。人は騙せても、神を欺くことは不可能ですから。」
このような事件で世間的な評価が誤解せれたこともあり、後ほどメアリーは断頭台に消えていくことになります。
私自身の見解は、メアリーは旦那の暗殺などしていないと確信しています。

また、エリザベスは、フランシス・ノールズ卿を使者として、カーライル城のメアリーのもとに派遣しています。表面的な理由とは反対に、彼女を監視するためにです。
しかし、メアリーは最初から、比類ない人間性ですっかりノールズ卿の心を捕らえてしまいました。

彼は、ロンドンのエリザベスに宛てた手紙で、この誇り高き女王の性格を生き生きと書いています。
「メアリーは女王としての自分の地位に限りない誇りを抱いており、人にもそれを尊重することを要求するが、だからといってわざとらしい慇懃無礼さや儀式ばった相対しかたは何よりも嫌うこと。
相手がどんな地位の人間であろうとも、常に心をひらいてオープンな態度で接すること、相手に悪意がない限りどんな歯に衣着せぬ言葉を聞かされても、決して気を悪くすることがないこと。そして一時的に自分がカッとするようなことがあっても、すぐに落ち着きを取り戻し、素直に自分の非を認めて気持ち良く仲直りを求めてくること。」等々。

女王のなかでも特にメアリースチュアートは、人間的にはもちろん欠点もあったと思いますが、総合的に素晴らしい女性だなと思い人間性を中心にしてその人物像を書いてみました。
彼女はカトリック信者です。

現在ロンドンのウエストミンスター寺院の地下墓地にメアリースチュアートとエリザベス一世は眠っています。

私にはメアリーが光の天使のように思えます。






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posted by ガンちゃん at 01:33 | Comment(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月18日

自由を抑圧する統制社会 社会主義の問題整理

自由を抑圧する統制社会 社会主義の問題整理

統制社会は、自分の意志に基づく選択の自由が制限されます。

ハイエクは統制経済、計画経済について以下のようにのべています。
「統制経済は生活の心配がないようにするものであり、ただ経済問題にだけ適用して他のことには関与しない、あるいは、生活の不安がなくなりもっとレベルの高い価値を追求する自由を得るであろう、というようなことが計画主義者の口から発せられることがある」

全経済活動を統制するということは、人間の目的を追求するあらゆる手段を統制するということです。
現代は高度に分業が発達した時代ですから、一つがすべてに関係してきます。
計画経済はわれわれの生活のほとんど全般にわたる統制になります。

ハイエクは、家族、友人関係、仕事の有り様、余暇の使い方まで、計画者の統制が及ばない領域はほとんどなくなるであろうと、指摘しています。
ですから統制経済は、経済だけに適用され他のことに関与しないということはありえません。


国が経済を統制し管理することなど夢想であるといえます。
価格を決定するにしても、様々な要素が複合的に絡み合ってきますから、国が一つの商品あるいはサービスの値段を決定することなど不可能であるといえます。

アダム・スミスが述べているように、神の見えざる手によって需要と供給のバランスが調整され落ち着くところに落ち着くといえます。

市場経済において、各個人が自己の利益を追求すれば、結果として社会全体において適切な資源配分が達成されるようになります。
個人が利益を追求することは一見、社会に対しては何の利益ももたらさないように見えます。
しかし、各個人が利益を追求することによって、社会全体の利益となる望ましい状況が神の「見えざる手」によって達成されるとアダム・スミスは考えたのだと思います。

次に社会主義の政策に関わる福祉の問題点について考えてみます。
いきすぎた社会福祉は自助努力は否定することになり、個人の魂の堕落を招く愚民政策であるといえるのではないでしょうか。
以前、アメリカのヒラリー元大統領夫人が医療保険制度を導入しようとした時、議会が反発して法案を通さなかったことがあります。
ヒラリー夫人は、「私の提案は、政策次元の問題ではなく正義の問題です」と言っていたと思いますが、すべてのかわいそうな人達を一人でもなくそうとしたとたん、国がすべてを握る全体主義に踏み込むことになります。

セーフティネットとして最低限必要な生活保障や個人の自立を助ける為の社会福祉は必要であるとは思います。

しかし、困っている人たちすべてを社会福祉で救済するという考えは、人間の自助努力を無視した安易な考え方であるともいえます。
もちろん本当に困っている人に関しては、何らかの救済手段、あるいは政策が必要です。

問題なのはそれに便乗して、働ける人が国から補助金をもらおうとする現実にあります。
ですから、社会制度で救済しようとするのではなく、自分自身の自助努力によって道を切り開いていくという考えにシフトしていくべきであると思います。


更に全体主義の問題点は国際常識がなく、自国の考えを世界に適用しようとします。

そして、全体主義者は理想が正しければ手段の正当性を考慮しません。
社会主義あるいは、全体主義者は条約を守らないことが平気になってしまうと渡部昇一氏が指摘しています。
旧ソ連は、日本との条約を無視して広島に原爆が落ちた後で、満州に侵攻してきました。
他国の防衛力が弱体化してくると条約を無視して侵略してくる傾向があります。

幸福という観点から統制経済、計画経済、社会主義をみると、人間の自由を束縛し宗教や信仰を否定し
芸術や文化が発展しない愚民政策であるといえます。





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posted by ガンちゃん at 11:06 | Comment(0) | 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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