情報や力の伝わり方に、局所的作用と非局所的作用があります。
局所的作用は、物体Aが物体Bに直接触れるか、Bに触れている他のものに触れるときには局所的に影響しています。
作用が直接的であるといえます。
非局所的作用は、非局所性の本性は無媒介の遠隔作用です。物体Aから物体Bに中間の何ものにも接触することなく飛躍すると考えられています。
重力や電磁気力は距離の2乗に反比例して力は減少します。強い相互作用(核力)、弱い相互作用(放射性元素の崩壊)も距離とともに衰えます。
非局所的相互作用が仮に存在するとすれば、場や他の何ものによっても媒介されることはないでしょう。
途中どれだけ物質をはさみこんでも相互作用を遮蔽することはないでしょう。
非局所的作用は距離とともに減少しなせん。非局所的影響は瞬間的です。伝達の速さは光速による制約をうけません。
非局所的作用はAからBまでの距離を減衰なしに時間の遅れなしに、空間を越えて結びつきます。
非局所的相互作用は媒介を要せず弱まることなく、即時的であります。
スピンが0である粒子が反応して、結果、スピンを持つ粒子2 つが一度に生成されたとします。
この粒子のスピンが上向きか下向きかは測定するまで分かりませんが、一方を測定して上向きだったなら、もう一方は必ず下向きであるはずです。
そうでなければ角運動量保存則に反することになります。
相対論が破れているのか、角運動量保存が破れているのか、それとも量子力学の解釈が間違っているのか。
これを実験で確かめるのは簡単ではありません。
思考実験なら簡単ですが、具体的な手段を考え始めるとすぐに壁にぶつかることになります。
一組のペアだけを作り出す技術。
生成した粒子に影響を与えることなく、待ち構えている検出器へとまっすぐ導く技術。
1粒子のスピンだけを検出する技術。これらは非常に難しい。
だからと言って多数のペアを作れば、どの粒子とどの粒子がペアなのか分からなくなってしまいます。
しばらくは思考の中だけで実験を続ける以外にないようです。
そこで、物質が局所的作用を前提とした実験が以下のような方法です。
方解石の間の角度1つ1つに対してPC測定は、多数の光子対を測ったとき一致の割合がどれだけ得られるかを確認します。ベルの定理は方解石間の角度を0°〜90°まで変えていく時に、一致の割合がどれだけかということであります。
0°ではPC=1(完全に一致)
90°ではPC=0(完全に不一致)
ここで思考実験
光子グリーンの検出器は地球上にあり、ブルー光線の検出器は540光年離れたベテルギウスに、ふたご状態の相関する光は両者の中間地点にある宇宙船から放出されるとします。
グリーンの光線を地球に、ブルーの光線をベテルギウスにと正反対の方向に向けて放射します。
500光年隔てられた2つの方解石結晶から、上向き(U)下向き(D)で構成された2進メッセージが時刻を合わせて現れるとします。
2つの方解石の角度が同じであればPC=1(例えば12時の方向)、つまりグリーンとブルーは完全に一致します。
グリーン UDUDDUDDDUUDDDUU
ブルー UDUDDUDDDUUDDDUU
方解石が同調しているときは、ベテルギウス上のブルー観測者とグリーン観測者は同一メッセージを受け取っています。
方解石の角度を変えるにつれてPCが1から0まで変わっていくので、PC=3/4となるある角度α°が存在します。この角度α°は4つの光子対につき一致は(平均)3つあり、不一致は1つです。
グリーン UDUDDUDDDUUDDDUU
ブルー UDUUDUDUDUUUDDUD
グリーンのメッセージは記号4つにつき1つの割合でブルーのメッセージと食い違いが生じます。
(赤の太字が1/4割合で不一致)
方解石を12時の方向にそろえます。メッセージが同じであることを観察します。グリーンの方解石をα°回す。1/4の割合で誤りが生じます。ブルーの方解石に関しても同じであります。
局所的仮定
ブルーの方解石の回転はブルーのメッセージしか変えることができない。グリーンの方解石はグリーンのメッセージしか変えることができない。これがベルの局所的仮定であります。
ブルーの方解石をα°回すとブルー系列に対して1/4の誤りを生じさせ、グリーンの方解石をα°回すとグリーン系列に1/4の誤りを生じさせます。
グリーンとブルーの誤りが偶然に一致する場合があるので(偶然の一致が生み出す見かけ上の一致)、方解石が2α°だけずれている時、誤りの比率は2つあるいはそれ以下が予想されます。
角度α°における誤りの比率が1/4 であればその2倍である2α°では2/4を超えることがありません。
しかし実験結果は2α°ずれた方解石では不一致が3/4 に上がることを示しました。
ベルの不等式を破っています。
実験の前提は局所的作用です。局所的作用が破られているということは、500光年離れた地球とベテルギウスの距離を瞬間的に情報が伝わって影響したことを意味しています。
次にアランアスペクトの実験について考えてみます。
全スピンがゼロである2粒子系を考えます。
これは、2つの粒子が互いにスピンを打ち消しあって全体のスピンがゼロという意味です。
片方の粒子のスピンが上向きであればもう一方の粒子のスピンは下向きです。
また、片方の粒子のスピンが右向きであればもう一つの粒子は左向きになります。
粒子がどのような位置にあろうとも2つの粒子のスピンの大きさは等しく向きは互いに反対になります。
実験装置の磁場を変えることにより電子の方向を変化させるとします。
片方の電子が実験装置の磁場を通ることにより電子の方向が上向きならば片方は測定するまでもなく下向きであります。
また、実験装置の磁場を変えることにより通過した電子の方向が右向きならば片方は測定するまでもなく左向きになります。
次に粒子が実験装置に近づきつつある途中で実験装置の磁場を変えるとします。
領域Bに向かって進んでいる粒子は領域Aに向っている粒子が上向きから右向きに変えたことを知り、そのためスピンを下向きから左向きに変ってしまいます。
領域Aで磁場の向きを変えたことによって領域Bで起こることが変化してしまいます。
これは2つの粒子の間に説明できない相関関係があることを意味しています。
領域Aにある粒子のスピンの変化を、領域Bにある粒子が即座に知ったとしか思えません。
領域Aで起こる出来事と領域Bで起こる出来事を光という信号で結び付けるのに十分な時間がないとすれば、物理学の通常の考え方に従う限り、領域Bで領域Aの出来事を知るとこができません。
こういう場合、「空間的時空距離にある」といいます。
空間的時空距離とは作用が光速で伝わっても2つの出来事に影響関係がないことをいいます。
局所作用の原理によれば、ある出来事から空間的に離れた時空距離にある実験者がその出来事に変化を与えることはできません。
局所作用の原理であれば常識です。つまり、我々から空間的時空距離にある実験結果は我々がその実験と同時刻にしたこととは何の因果関係もありません。
アスペクトの実験では粒子が到達する瞬間、観測開始の10-6秒前に観測装置の状態を変えることができます。
観測直前に観測装置の状態を変えるので「観測装置の状態に関する情報」は、素粒子の到着する前に他方の領域に到達することはありません。(情報が光速以下でしか伝わらないとすればそうなる。)
しかし結果は、10⁻6乗秒に磁場を変化させたにもかかわらず、情報(観測装置の状態の変化)が片方に伝達されたことになります。(光速をこえて)
光速を超える粒子をタキオン粒子といいます。
従来の理論では、タキオン粒子が考えられませんでした。その最も大きな理由は、粒子の質量を速度Dであらわす式にあるのではないでしょうか。
m0:静止しているときの物体の質量
m:動いているときの物体の質量
v:物体の速度
c:光の速度
ブルーバックス:タイムマシンの話し・超光速粒子タキオン 参照
止まっている時の質量がm0なら、速度Vで走る時、質量は式でみるようにmにかわります。
速度Vが光速Cに近づくほど分母のルートの中は小さくなります。したがってmが大きくなり、V→Cでm(質量)が無限大になってしまいます。無限大の質量は考えられませんから、いかなる粒子も光速を超えることができないと考えられています。
速度がV=Cで分母が0になってしまいます。分母がゼロだと具合が悪ので、分子の方もゼロにして、つまりm0=0光子の静止質量はゼロであるといっています。0/0という式を使わざるをえなかったようです。
この数式では、物体の速度が光速に近づくほど重くなっていきます。
光速を超えるタキオン粒子が観測された時、式の変更が余儀なくされ、新しい宇宙時代が幕開けとなるのではないかと思います。
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