クリスマスキャロルという小説があります。
スクルージという意地悪なお爺さんがクリスマスイブに、過去の幽霊、現在の幽霊、未来の幽霊に出会い、過去や未来において自分の行いがどれだけ人々を傷つけていたかを知るに至り、心を入れかえることによって、すべてが輝いて見えるようになったという話であったと記憶しています。
同じ環境であっても心を入れかえることで、すべてが美しくみえてくるという、宗教的体験でもあると思えます。
臨死体験という実際に霊的世界を体験した人たちは、だいたい共通する認識をもちます。
死に対しての不安がなくなり人生を充実して生きるようになります。
また、愛の大切さに気がつく人が多いようです。ほとんど全員が愛は人生で最も大切なものだと言うようになります。幸福と願望達成は愛の証明であり、愛に比べるとすべてのものは色あせて見えてくるという人が大半です。
また、あらゆるものと、つながっているという感覚があるそうです。宇宙にあるすべてのものとつながっているという感じを抱いて戻ってくるそうです。
臨死体験は知識に対しても、それまでになかった敬意を抱くようになります。
光りの存在に、勉強(学び)は死によって中断されることはないと言われた人もいます。
知識はあの世に携えていくことのできるものであり、来世全体が知識を追求するための世界になっているという人もいます。
また、トンネルを抜けると光りの人々に会うという経験談も有ります。物質的な光で構成されているわけではなく、あらゆるものに浸透し、人を愛で満たすような、美しい強い輝きを放っています。体験者は、「光といっても愛といってもいいのです。結局、同じことなのだろうと思います。」と語っています。
きわめて強い光であるにもかかわらず、眼を傷めることはありません。それどころか、暖かで力強く、生気にあふれているようです。
心臓発作の激痛が、死の苦しみから深い喜びにかわったという報告もあるようです。
こうした体験をするとその後の人生も全く違ったものになるようです。人生をこの世限りだとする人生観、唯物論的人生観からでは、人間は不安と苦しみから抜けることはできません。
ギリシャの哲学者、プラトンの著作『国家』最終章には、戦争で最後をとげたエルという人物が10日前後に生き返り、自分がみてきた死後の世界を語りだす「エルの物語」が書かれています。
戦争で最後をとげた多くの屍体が埋葬の為、運ばれてきましたが、エルの屍体だけが腐敗せず残っています。
12日目、まさに火葬されそうとする瞬間にエルはよみがえり、自分がみてきた死後の世界についての話を始めました。
天の穴と地の穴があり、真ん中に裁判官が坐っていて生前の生き方について、正しい行いをした人に関しては、右側の天を通って上に向かう道を教え、不正をおかした人達については、左側の下に向かう道を教えていました。
エルは近づくと、「おまえは死後の世界について、人間たちに教えなければならないから、ここで行われることをすべて残らずよく見聞きするように」と言われました。
内容は、死後の世界は各人が犯した罪の10倍の償いを受けることになります。犯した罪や悪行はその10倍返しで自分に跳ね返ってきます。善行に関しても同じ割合で自分にかえってきます。
霊的体験が自惚れや慢心につながるのではなく、愛の大切さを実感として感じとれるものでありたいと思えます。
本当の霊性とは、深い愛と関係があるような気がします。
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