アインシュタインの有名な式にE=mc^2の式がありますが、なぜ質量mに光速度cの2乗をかけたものがエネルギーになるのか気になったので調べてみました。
質量がMの止まっている物体に正反対の方向から、同じエネルギーの2つの光子が衝突し(1)、吸収されました。(2)。それぞれの光のエネルギーはE/2でした。この現象を光の飛来方向と垂直に等速運動Vで動く観測者からみるとどうなるでしょうか(3、4)。観測者の速度Vは光速Cに比べて著しく小さいとします。
観測者から見ると光は、もとの入射方向とある角度θで斜めに物体に吸収されているように見えます。(光行差現象とよばれます。雨の日に、走っている車から外を眺めますと、雨が斜めに降っているように見えます。これと同じことが光りにもおきます。)
この出来事に運動量保存の法則をあてはめて考えてみます。運動量保存の法則とは、「最初の運動量の和と、最後の運動量の和が等しい」ということです。
質量Mで速度vの物体の運動量はMvです。
光は物体に対して斜めに入射しますので観測者の運動方向と垂直・水平の2つの方向に運動量を分解して調べてみます。
まず、観測者の運動方向と垂直な方向の運動量はどうでしょうか。
光が吸収される前、物体は静止しているので運動量は0となります。2つの光の運動量はまった同じ大きさで、たがいに逆向きに進んでいるので、打ち消し合ってその和は0になります。
光が吸収されたあと、やはり物体は垂直方向に運動しないので運動量は0です。
つまり、最初の運動量の和と、最後の運動量の和が0ですので等しく矛盾しません。
次に観測者の運動方向と水平な方向の運動量を調べてみます。
光を吸収する前の物体は−vで運動しているように見えるので、運動量は−Mvとなります。(マイナス符号は物体の運動方向が観測者の運動方向と逆向きであることをあらわします)。
次に上から来る光の運動量は次のようにして求められます。
エネルギーがE/2の光の運動量はアインシュタインによってE/2Cとなり、このうち水平方向の運動量は(5)より三角関数をつかって、
になります。これは下から飛来する光も同じ運動量を持っていますので光の運動量の和は−E/C×sinθになります。
光を吸収したあと、物体の質量はmだけ増え、M+mとなったとします。
すると物体の運動量は−(M+m)vになります。運動量保存の法則を適用して、最初の運動量と最後の運動量を等しくしておくと、
となり、
sinθはV/Cですのでおきかえます。
式全体に共通のVがかかってきていますので、Vで割って
E/C^2=mになり、式を変形してE=mc^2になります。Newton別冊アインシュタインを超えて参照
これ以外のエネルギーを導き出す式にE=hνというものがあります。
プランク定数hに振動数νをかけるとエネルギーがでます。
E=mc^2とE=hνに何か関係がないかを調べてみました。
素粒子の質量の単位はeV(electronvolt)です。
電気素量eをもつ粒子が真空中で1Vの電位差で加速されたときに得るエネルギー 物理小事典
とあります。
1個の電子が真空中で電位差1ボルトの2点間を運動するときに得る運動エネルギーです。
電位差1Vのとき、電子の得る運動エネルギーは1 eVとなり2Vのときは2 eVになります。
eVとVの実数値は同じです。
hをVで表現したい時は、
h=4.1357×10^(-15) eV h=4.1357×10^(-15) Vとしてあつかうことができます。
素粒子の質量であるeVの単位をVと見立てて、プランク定数(h=4.1357×10^(-15) V)一回転あたりの電圧値で割れば、素粒子の周波数がでてきます。素粒子の質量とは素粒子の周波数だったのです。波動性科学参照
アインシュタインの式は質量に光速をかけていますが、光は波動であり、波動である以上、周波数があります。
質量と周波数(振動数)は関係があるものと推測します。
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