タレスについて、資料があまりないのでヘーゲルの「哲学史講義」を参考にしながら、どのような思想を持っていたのか考えてみたいと思います。
タレスとともに哲学史がはじまったと言われています。
タレスの逸話として、天文学の知識や研究にまつわる話があります。例えば、空をあおいで星を観察していたタレスが溝におちたのを見て、人々が自分の足元さえ見えない人がどうして天上のことが分かるのかと、からかった話。(世間の人々は、自分の嘲笑を哲学者が仕返しできないのをいいきになっている。)
が、世間の人は自分たちのことを哲学者が、あなたたちはたしかに、溝におちることはないが、それはもともとあなたたちが、溝にすっぽりはまっているから、つまり、高いところをながめやったりしないからだ、といって嘲笑していることがわからないのです。という逸話があります。
自然哲学の祖タレスは「水」が原理だといいます。その理由として、すべての生物の種子は原則として水気があり、他のすべてのものも水気を原理とするから。
また、すべての植物は水から栄養をとって果実をつけ、水が不足すれば干からびてしまうから。
「本質は形なきものである。これがタレスの原理の確信です」とヘーゲルは述べています。
たしかに「水」は、いろんな形状に変化します。例えば、水は入れ物の形状に合わせて変化します。変転変化は、自然界の法則、本質でもあります。
また、水は「物質の3態」に変化します。物質の3状態、固体、液体、気体、であります。(気体の状態では、分子はばらばらに運動していて、分子間の距離は大きい。液体の状態は、分子はほとんどぎっしりと詰まっているが、相互にたやすく移動して、流れることができる。個体の結晶の状態では、分子や原子は規則正しく並んでいる。
霊的世界においても、霊子の状態によって霊的実体が現れたり消えたりするのであろうから、「水」の中に霊的本質を観察することができます。
ヘーゲルも水の中に、変転変化する世界の本質を見ていたと思います。
その意味において、タレスが水を原理として考えたのは深い洞察力がある方であると、自分は考えます。
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