2016年02月14日

プラトンの国家「エルの物語」と臨死体験

プラトンの国家「エルの物語」と臨死体験

プラトン著『国家』最終章に、戦争で最後をとげたエルという人物が10日前後で生き返り、自分がみてきた死後の世界を語りだす「エルの物語」が書かれています。

戦争で最後をとげた多くの屍体が埋葬の為、運ばれてきますが、エルの屍体だけが腐敗せず残っていました。
12日目、まさに火葬されようとする瞬間にエルはよみがえり、自分がみてきた死後の世界についての話を始めました。

天の穴と地の穴があり、真ん中に裁判官が坐っていて生前の生き方について、正しい行いをした人には、右側の天を通って上に向かう道を教え、不正をおかした人達については、左側の下に向かう道を教えていました。

エルは近づくと、「おまえは死後の世界について、人間たちに教えなければならないから、ここでおこなわれることをすべて残らずよく見聞きするように」と言われました。

内容は、死後の世界は各人が犯した罪の10倍の償いを受けることになります。犯した罪や悪行はその10倍返しで自分に跳ね返ってきます。善行に関しても同じ割合で自分にかえってきます。

真理は単純な中にあり、善を行えば天国に帰り、悪を行えば地獄に落ちる。知を愛し人に対して優しく生きていく中に魂の成長、進化があり天使たちも微笑んで見守っています。

現代においても死後の世界を垣間見たという人は数多くいます。臨死体験も天上界の計画の一部だと聞いています。
経験者はだいたい次のような報告をします。

空中を漂いつつ、自分の肉体を見下ろしているうちに、突然不安や混乱が起きてきます。
「こんな上のほうから、自分の肉体が見えるなんて」という感覚です。
霊的な知識がないと何が起きたのかわからず、混乱するようです。

心臓発作の激痛が、死の苦しみから深い喜びにかわったという報告もあるようです。唯物論的な医者や先生あるいは研究者といわれる人は、脳がこうした激痛に対して痛みを止める化学物質を産生するという理論をとなえていますが実証されているわけではありません。

また、トンネルを抜けると光りの人々に会うという経験談も有ります。物質的な光で構成されているわけではなく、あらゆるものに浸透し、人を愛で満たすような、美しい強い輝きを放っています。体験者は、「光といっても愛といってもいいのです。結局、同じことなのだろうと思います。」と語っています。
きわめて強い光であるにもかかわらず、眼を傷めることはありません。それどころか、暖かで力強く、生気にあふれているようです。

こうした体験をするとその後の人生も全く違ったものになるようです。人生をこの世限りだとする人生観、実存哲学的な人生観からでは、人間は不安と苦しみから抜けることはできません。

臨死体験という実際に霊的世界を体験した人たちは、だいたい共通する認識をもちます。
死に対しての不安がなくなり人生を充実して生きるようになります。また、愛の大切さに気がつく人が多いようです。ほとんど全員が愛は人生で最も大切なものだと言うようになります。幸福と願望達成は愛の証明であり、愛に比べるとすべてのものは色あせて見えてくるという人が大半です。

クリスマスキャロルという小説で、スクルージという意地悪なお爺さんがクリスマスイブに、過去の幽霊、現在の幽霊、未来の幽霊に出会い、過去や未来において自分の行いがどれだけ人々を傷つけていたかを知るに至り、心を入れかえることによって、すべてが輝いて見えるようになったという話であったと記憶していますが、同じ環境であっても心を入れかえることですべてが美しくみえてくるという点で、臨死体験と共通していると思います。

また、あらゆるものと、つながっているという感覚があるようで、宇宙にあるすべてのものとつながっているという感じを抱いて戻ってくるそうです。

臨死体験は知識に対しても、それまでになかった敬意を抱くようになります。光りの存在に、勉強(学び)は死によって中断されることはないと言われた人もいます。知識はあの世に携えていくことのできるものであり、来世全体が知識を追求するための世界になっていると述べる者もいるそうです。

「エルの物語」で語ったように、使命がある人は霊的世界を垣間見ることができ、それを実体験として報告する義務がある人もいますが、大半の人は臨死体験を経験することができないので、信仰心をもち、霊的世界を知識として学び、愛を深めていく生き方が大切であると思えます。


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posted by ガンちゃん at 18:55 | Comment(0) | HS/ガンちゃんの感想・考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月11日

虚数とは何を意味しているのか

虚数とは何を意味しているのか

相対性理論を参考に考えてみます。

※証明終わり以降から読んでいただいてもかまいません。

証明

速度Vで移動

直角三角形.jpg
↑a'

電車が速度Vで右に移動していると考えてください。
光がAから発射されます。
電車内の人が光時計で見た場合、光が下から上に届く時間をt秒とします。
また、地上の人が電車内の光時計を見た場合、光が下Aから発射されて、斜めに進んで上に届くまでの時間をT秒とします。
地上の人には、光が斜めに進む分、Tはtより長い(T>t)と思います。
言い換えれば、地上の人は「T秒経った」と思っているのに、電車内の人は「t秒しか経っていない」と思っているわけです。
したがってTとtの関係式を求めれば、時間の遅れの式になります。
電車の速度Vkm/秒、光の速度をCkm/秒とします。
また、上の図は地上の人が光時計を見た様子ですが、図の中の三角形の辺の長さをそれぞれ、abckmとします。
さて、光は垂直方向とC方向に同じ速度で、t秒・T秒かけて進みます。垂直方向をここではa’とします。この場合、距離の比sinθ(a’:c)は、時間比(t:T)に等しくなります。@

一方、光が速度Cでckm進む間に光時計は速度Vでbkm進んでいます。
距離の比cosθ(b:c)は速度比(V:C)に等しくなります。A

相対計算1.bmp

さて、abcにはピタゴラスの定理が成り立ちます。
この式の両辺をCの二乗で割ると

相対計算2.bmp

両辺から(b/C)二乗を引き両辺の平方根を引くと

相対計算3.bmp

この式に@とAを代入し両辺にTをかけて

相対計算4.bmp


例えば24万kmで飛んでいる宇宙船内の時間の遅れは

相対計算5.bmp
相対計算6.bmp

地上で1秒経ったのに宇宙船の中は0.6秒しか経っていないということになります。

証明終わり

この式を基準に考えてみますと、光速を超えますと、ルートの中がマイナスになり虚数になります。
私たちの存在する世界は4次元時空と言われています。
縦・横・高さの3次元空間と1次元の時間は、密接に結び付きお互いに影響し合って変化します。
虚数の時間とは、通常私たちが認識している過去から現在、未来と進んでいく1次元の時間が広がりを持つということではないでしょうか。
1次元の時間が広がりを持つということは、時間が空間に変化するということです。
つまり虚数の世界とは、縦・横・高さという3次元空間に4番目の空間が広がるということです。
(書いている自分も想像できません)
時間が空間に変化するということは、過去の3次元空間と現在の3次元空間と未来の3次元空間が同一空間を共有して存在していると考えられます。
広がりを持った虚数空間は、光速以下になった時に1次元の時間に変化したのではないかと現時点で考えています。


余談ですが、リヒャルト・ワーグナーの作品に「パルジファル」という本があります。
中世ヨーロッパに伝わる「聖盃」伝説に材をとったワーグナー最後の楽劇だったと思います。
聖杯とは十字架にかかったイエス・キリストの身体から流れ出る血を受けた盃で、中世の伝説では、聖なる力を持つとされています。
その作品に「ここでは時間が空間に変わるのだ!」という台詞があったことを思いだしたので、紹介しました。








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posted by ガンちゃん at 12:24 | Comment(2) | 物理・科学・宇宙論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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