2014年03月09日

自分を変えようとする人、他人を変えようとする人

自分を変えようとする人、他人を変えようとする人

ドイツ観念論哲学のヘーゲル崇拝者のひとりである、エストニアの貴族ボリス・ド・イクスキュルという人がいました。もともとロシアの騎兵隊長でありましたがフランス軍との戦いの為、心身が疲労し、戦争による過労をいやすために、軍隊を退いて学問をしようと試みました。そしてヘーゲルの著作をなにも読まないうちに、この大先生についたら、短期間のうちに学問の精髄を学び取ることができるであろうと想像し、ハイデルベルクにやってきました。いよいよ空想に描いていた大先生を訪れることにし、内心はおどおどしながらも外見上は自信ありげな様子で教授のところに出かけていきました。さぞかし近寄りがたいほど偉大であろうと思っていたヘーゲルは、何の飾りけもなく優しく親切に対応してくれました。そんなヘーゲルに惹かれて講義の手続きを済ませると、行き当たりばったりの本屋に飛込み、ヘーゲルの著書を買い込んで、自宅でソファーにでも寛ぎながら、その書物を開いてみましたが、読めば読むほど何を言っているか分からなくなり、たった一つの文章を前にして数時間も苦しんだあげくに、嫌気がさして本を放り出してしまいました。
講義には出てはみたものの自分でノートしたことすら理解できずにいましたが、これは予備知識がないからだと本人は悟りました。思い余ってヘーゲル教授のところに出かけて行って「ヘーゲル教授の書物も講義もさっぱりわかりませんがどうしたらよろしいのでしょうか」と尋ねた。ヘーゲルは彼の言葉をじっと聞いて、懇切に指示を与え、準備的な勉強をするためにいろいろと忠告してくれました。

という話が残っていますが、ヘーゲルの人柄の一面をのぞかせる出来事であります。ヘーゲルは人格的にも素晴らしいと思えますが、ボリス・ド・イクスキュルが軍隊から哲学を志しながら、自分のわかる範囲で努力している姿に感動します。
人間はいくら年齢を重ねても、思いを変えた時点で人生のやり直しができる例だと思いますが、仏教的には、ある一定の年齢まで行くと魂的に有の状態になり、今世地上に生まれて身に付けた傾向性が魂の深い部分までしみ込んで固まってしまい自分を変えようとしなくなります。自己変革が自分の意思で思うようにいかなくなることを有の状態と呼んでいますが、総裁先生ですら今の自分に満足しておらず更に努力を積み重ねておられるので、私自身の戒めとして努力と謙虚さを忘れないようにしたいと思った次第です。

常に自己変革をするということはヘーゲル的に考えると、自分の中から、自我を否定し、自分に対立するものを生み出し、自分自身の対立否定関係を克服することによって、いっそう高次の段階に進むという弁証法に則って発展していく、ということでしょうか。
仏教的には「上求菩提・下化衆生」という、どこまでも悟りを求めながら努力精進し、下に向かっては、一人でも多くの人を救っていくという、ベクトルの違う方向を融合していくことになるのでしょう。

年齢に関係なく自分を変えようとする人は素晴らしい人です。

しかし、自分自身を変えようとせず、まわりの人を変えようとする人もいます。まわりの人を変えようとする人とはどのような人なのでしょうか。

自分を変えずに相手を変えようとする心の中には、自分は絶対に正しい、自分は他の人より偉いので、間違えるわけがないから相手が謝るべきだ、という思いがあると考えられます。

仏典には、「一切衆生悉有仏性」という言葉がでてきます。すべての生きとし生けるもの、人間が中心でしょうが、仏性が宿っているという意味だと教わっています。霊界において、一定の悟りを得なければ地上に生まれ変わってこられないと教わっていますので、自分は神の子、仏の子であり、自分以外のまわりの人もまた、同じであるという程度の認識を持って生まれて来るのでしょう。

しかしこれが、「一切衆生悉皆成仏」までいったらハッキリ言って間違えです。議論の余地などありません。すべての人には仏性が宿っているという教えは、正しい教えでしょう。それは幸福の科学の教えでもありますし、本来、人間に仏性や神性が宿っていなければ、愛の教えや智慧について学んでも実を結ぶことはないでしょう。
しかし、仏性があるからだというそれだけの理由で、すべての人が仏になれるなどという甘い考えは間違えです。
可能性としてはあるでしょうけど、それはあくまでも可能性です。
自我が強く慢心している人ほど、自分を変えようとしないゆえに反省もしませんので、周りを不快な気持にしてしまいます。

これは、悟りの挑戦(下巻)に書かれていますが、「本覚と始覚の問題」になるのかと思います。
本覚はもともと仏性が宿っているから、人間とは生まれた時から悟った存在なのだという考えです。天台本覚思想ともいい、比叡山はこの思想です。
この考え方に対して、始覚というものがありますが、人間というものは教えを聞いて、修行をして初めて悟りが開けていくのだという段階論です。
どちらが正しいかは結論が出ています。

自我の強い人ほど、自分が神だと勝手に思いあがり上から目線で話してきますが、このような人こそ自分を変えようとせずに、相手の変えようとします。


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posted by ガンちゃん at 00:31 | Comment(0) | HS/ガンちゃんの感想・考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月06日

ベガの特徴の地球的表現形式

ベガの特徴の地球的表現形式

ベガの特徴として「温和」「調和」「変化」があげられています。温和や調和は特に、女性的な特徴であると思えますが、地球にある3大宗教のうちキリスト教と仏教には、大変な影響力が及んでいたと考えることができます。
他の星の価値観も地球の文明に勿論、影響を与えているとは思いますが、特に地球の進むべき方向性に大きな影響を与えているのはベガの価値観であると思います。
地球的は教え、例えば仏教における三法印のうち「諸行無常」「諸法無我」はベガの星としての特徴が地球的な表現形式として結実したのかもしれません。
また、キリスト教における病気治しや、復活現象に関しても、もちろんヘルメス神の霊的パワーが働いていたと考えますが、ベガの力も同時に作用していた可能性がリーディングで明らかになりはじめました。
ベガでは、相手の関心がある姿に自分を変化させ、無駄な争いや攻撃をかわすと述べられていますが、相手の関心がある姿に変化する前提条件は、相手の心を読み取ることが必要になると考えられますので、
少なくとも阿羅漢の境地に到達していることを意味しているのでしょうか。
また、天台大師智が説かれた一念三千論も、ベガの特徴が地球的な思想として現れているといわれています。
一念三千論は非常に人間のあり方を緻密に分析された思想であると思います。
大雑把に整理すると以下のような解説になります。
法華経を勉強するにあたって大切な考え方として十如是があります。
十如是とは、「如是相」・「如是性」・「如是体」・「如是力」・「如是作」・「如是因」・「如是縁」・「如是果」・「如是報」・「如是本末究竟等」の十個がありまして、この世のあらゆるものはこの十種類をみれば違いが分かるということです。
さらに、十界互具説という教えがあり、人間が地上に生まれてくる前にいた霊的世界があります。
「地獄」・「餓鬼」・「畜生」・「阿修羅」・「人間」・「天上」・「声聞」・「縁覚」・「菩薩」・「仏」の十個の世界に分類します。
このどこかの世界に、自分自身の魂の出自があるという考えですが、この十種類の心の在り方は、地上に生まれてきた人間も十種類の思いを出すことができます。
もともとあの世の素性が十種類あり、この地上に出てからの心境に十種類。十種類の人がそれぞれに十種類の心の出し方ができるので十界掛ける十界で百界となります。
この百種類の心境に十如是の思想を掛け合わせると、百界掛ける十如是で千になり、これを「百界千如」といいます。
さらに人間が百種類の心をだす、活動の場として、三種類の世界「三種世間」があります。
「衆生世間」「五陰世間」「国土世間」という三種世間があり、「百界千如」に「三種世間」を掛けると「三千種世間」となり三千という数字が出てきます。
天台智は、このようなプロセスで一念三千論という思想を説かれたと教わっています。

人間の心のあり方を、霊的世界における魂の出自と地上に生まれてきてからの心境の両面から観察しながら、分析する思考力には頭が下がります。
また、キリスト教の特徴の一つである、医療関係の働きも含まれています。自分自身の姿を相手に合わせて変化できるのですから、病気などその病原菌を変化させ無力化するぐらいの科学技術はあるでしょうから、病気に対しての苦しみからは解放されているかもしれません。

しかし、地球には地球にしかない特徴があります。それは、多様な価値観を学び受け入れながら、一つにまとめあげ統合していくという、方向性であります。
宇宙は無限に広いといっても、プレアデスの美と調和の教えとレプタリアンの力でねじ伏せ、負けた者は食糧になって当然,という弱肉強食の価値観が共存している偉大な星です。
それ以外にもさまざまな価値観がひしめいている地球というなかで、愛と慈悲、智慧という価値基準を中心として、すべてをまとめあげ説明し尽くして、一つに統合しようとする地球的仏法真理が現在進行形で説かれています。


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