そこで「立地県から改めて原発の必要性を考える」と題し、福井県本部幹事長の北野光夫(きたの・みつお)氏より3回に分けてご報告いたします。第1回の本日は「話題のメガソーラー、その実力は?」をお届け致します。
北野光夫氏は福井県越前市(旧武生市)で生まれ育ち、代議士秘書を経て1998年武生市議に初当選。市議当選3回。その間、建設委員長、産業経済委員長、決算特別委員長等を歴任。2008年越前市議会副議長、2009年越前市国際交流協会副会長、日本会議福井運営委員長に就任。
誠実かつ正義感溢れる精悍な人柄と、誰からも慕われるソフトな人柄で、地域の方々から熱いご支援を賜っております。
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【北野光夫氏寄稿】
先日、川崎市浮島のメガソーラー発電所が大々的に報じられました。この発電所は太陽光発電としては、国内最大規模とのことです。
出力7000kWと誇らしげに伝えられており、キャスターも「すごい」を連発していました。確かに、11haという広大な土地に並べられた38,000枚のソーラーパネルは、見た目には壮観で「すごい」のかもしれません。
しかし、この出力7000kWというのは、どのくらい「すごい」のでしょうか?
ニュースでは原発との比較はされていませんでしたので、ここで比較してみます。原発は、高経年化が心配される初期のものでも40万kW前後、全国の主流のものなら100万kW前後です。
ですから、このメガソーラー発電所は40年近く前に作られた古い原発と比べても1/50程度、最大出力を誇る柏崎刈羽原発6、7号機(135.6万kW)と比較すれば1/200ほどの出力にすぎません。
ですから、図体は確かに大きいかもしれませんが、大騒ぎするほど「すごく」はないのです。
しかも、この数字は瞬間的な最大出力です。天候によってはこの出力を保つことはできませんし、もちろん夜は発電できません。
稼働率で言えば、原発は定常的に24時間発電が可能で、80%近い稼働率であるのに対し、太陽光発電の平均稼働率は12%程度と言われています。ですから、実際の発電量で比較すれば、この差は更に何倍にもなります。
結局、実力的には、現時点では原子力発電とは比較の対象にもならないレベルだということです。
このキャスターに代わって正確にお伝えすれば、「この壮観な11haのメガソーラーを200カ所に設置し、1年間毎日、全設置個所で晴れの日が続いて、調子が良ければ、原発0.5基分くらいの電力は供給できるかもしれません。すごいですね。」ということになります。
電気事業連合会によれば、メガソーラー発電計画で、2020年度までに全国30地点で(電力10社合計)14万kWを発電するとしています。原発一基分相当(100万kW)と比較しても発電量の差は大きな隔たりがあります。
エネルギー安全保障を考えれば、いろいろな発電方法を開発することは必要です。しかし、現時点では原子力発電に代替できるものとは言えません。
北野 光夫
HP:http://kitano-mitsuo.com/
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